「なぜ??私を狙うの?」


 「……『紅龍』の女性は優れた能力を持つ子を産むからですよ。『黒龍』の繁栄を
阻止するためです」


 「……」

 
 「俺の母も『紅龍』です…。俺も…動体視力は人並み以上ですから…本土から助っ人
も来るようです」


 「……!?」




 ソファーに投げ出した長い足を床に落とし、胸に手を当てる紫岐。



 「本土から助けが来るまで…俺が命を賭けてあなたを護ります…」


 紫紺の瞳が真剣な光を帯びる。


 紫岐は本気で自分の命を賭けて、護ろうと言う覚悟をキメていた。



 初めて今日会った…私の為に……。