こいつが引き金を引けば俺は心臓をぶち抜かれる。 命の駆け引きが…俺と紫岐との間に緊迫した雰囲気を醸し出す。 「……殺すわけないだろ?お前は…俺の大切な…半身だ」 紫岐は銃を引っ込めて、コートの後ろに隠しこんだ。 緊張の糸が解れ、俺の体から力が抜け落ちる。妙な脱力感に心臓が早鐘を打つ。 「……これからお前は…死と隣り合わせの場所に行く…。これくらいでビビッていて は…女一人護れない…」 「俺はドンにはなりたくない」