「トーヤさまは本土に先にお連れする…紫岐お前は…佐波さまを連れて来るんだ」


 「御意…」


 俺よりも少し低い声音。


 「……張明さま…トーヤさまと二人でお話したいですが…」


 流暢な日本語…。


 「わかった10分だけだ…」

 
 葉月は依吏とシバを連れて、部屋の外に出た。


 「……俺は…あんたのダミーとして整形された…。もともと顔のない人間だ……
闇社会のドンと同じ顔になれる…寧ろ、光栄に思っている…」


 紫岐は俺の頬に手を掛け、俺を食い入るように見つめた。