「……奥さまの病気のせいで准斗さまは…体を弱らせたんですよ…。ワザと薬物を
多量摂取させて、中毒症状を起こさせ、入院させたり…懸命に看護する自分の姿を
見せて…周囲の同情を引き、自己満足を得る…おかしな病です。気が気でなかった。
祐斗さまは『黒龍』の大切な後継者ですから。准斗さまのように傷付けられては…
困りますから」
「トーヤはすべて知っているの?」
「いいえ…でも…あと少しで…本土の抗争も…終ります…。そうすれば…祐斗さまに
もすべてお話します…余計なことは言わないで下さい」
葉月さんは隠し持っていた銃を手にして私に銃口を向ける。
「あなたにお話したのは…あなたも本土に連れて行く為です…」
「…私は!!?」
「香港の夜景は…キレイですよ~」
マジに人差し指は何の躊躇いもなく引き金を引く。
私は逃げようと踵を返す。
