ママが小さい頃に亡くなっているうちでは、これが当たり前の朝の景色だ。


毎日朝食を作ってくれるパパはまだ37歳で格好いい。


整ったその顔を見ると、まだ若いんだし、再婚しないのかなっといつも思った。


「ん?どうした?」


トーストを持ち上げたままジッとパパを見ていたあたしに、パパは首を傾げて問いかけてきた。


「ちょっとボーっとしちゃっただけだよ」


「そうか。転校初日だから、余裕を持って家を出るんだよ」