「ねぇ燐?この説明何回目かな?」

多分引き攣った笑顔だっただろう。

「ハイ…、五回目です。」

「だよね~…。」

「はい。」

「じゃあ、何で分かんないわけ。」

私のご立腹加減に唖然の皆。
燐もわかってるようで静かにしている。

「そんなに補習がいいなら出来なくて
 いいよ。

 後で泣くのは燐なんだからね。」

私の言葉に泣きそうになってる燐。
それもそうだろ。この豹変ぶりには
晃磨も唖然としてるんだから。

スパルタな事を知ってる麗紗も、私を
怒らせないように教えてもらってる間
だけ、凄く大人しくなる。


自分ではいまいちわかってないんだが。

「それは嫌です。
 次からはちゃんと聞きますので
 初めから説明してください。」

あの燐が敬語を使った。
珍しいので今回は許すことにしよう。

そんなことを考えながら、私のスパルタ
授業は再テストの日まで続いたのである。