「凄いだろ?」
「はい。綺麗です。」
「ここな、俺の秘密の場所だ。」
晃磨さんが言った。
「長年一緒にいる諒たちにも
教えてない、俺のとっておきの場所だ。」
私は驚いた。
そんなところに何故私を連れてきたのかと。
「私が来てよかったんですか?」
「お前だから連れてきたんだ。」
晃磨さんの言葉の意味が私にはいまいち
分からなかった。
「分かんねぇなら、それでいい。」
いつか分からせてやるから、そう囁いた。
「いつかっていつですか?」
「さぁな、お前次第だ。」
「私次第ですか?」
「あぁ、お前次第だ。
じゃ、帰るか。」
「はい。」
この日の、晃磨さんはいつになく
分からなかった。

