いつも隣にイケメン君

「どっか行かない?」
私ができるだけ明るく言うと、
「いいけど、どこ行きてーの?」
梓が私の顔を覗きこみながら聞いた。
考えてなかったな。
「梓は行きたいとこある?」
「寿花とならどこでもいい。」
ぎゃー!
なんでそんなことサラッと言えんの?!
そんなこと言ってくれる人、
乙ゲーの世界だけだと思ってたよ!
「じゃ、じゃあねー……ウォータースライダー!ウォータースライダー行こう!」
私がそう言うと、梓は立ち上がって、
「んじゃ、行くか。」
と言って、私の腕を引っ張り立ち上がらせてくれた。
私は羽織っていたパーカーを脱ごうと
手をかけると、
梓に肩をグンッと引っ張られた。
へっ?!何?!!
「脱ぐな。」
いつも以上に真剣な顔の梓に驚いた。
「な、なんで…?」
「いいから。」