「あ、お姉ちゃーん!こっちこっち!
混みそうだったから場所取っといたよ」
そう微笑む妹に、優佳は
「ありがとう」と告げて席に着いた。
「あ、まだお弁当食べないで待ってて!」
「え?なんで?お姉ちゃん」
「あ、ほら来た来た!!
こっちだよー!!」
優佳が大きく手をふる先には、購買で
買ったと思われるパンを持った健徒がいた。
「おー、待たせたみたいで悪ぃな
購買が混んでてさぁ…」
とブツブツ言いながら、健徒は
優佳の隣に腰を下ろそうとした。
その刹那…
優佳は信じられないスピードでお弁当を広げて
「悪いけど、こっち狭いから
優奈の方に座ってくれる?」
と微笑んで、健徒を優奈の方に押した。
「うわっ!っぶねぇなぁ…
優奈ちゃん、大丈夫?怪我ない?」
「あっ、はいっ…私は大丈夫です…」
顔が真っ赤でいまにも倒れそうな優奈を
健徒は照れと知らずに心配している。
そんな2人を見て
優佳は満足そうに微笑んだ。
