翌日。

二人で登校して教室に入った。

「お、圭太に夏目! はよー」

「亮、はよ」

「おはよー」

俺は亮の後ろの席、香絵は俺の通路を挟んで隣の席に座った。

ところで、

「おい亮、進路表書いたか?」

昨日の担任とこいつの会話を思い出してたずねた。

すると亮は机の中からヨレヨレの紙を引っ張り出して笑った。

「おうよ! 完璧!!」

「見せて?」

と言った香絵と一緒にその紙を覗き込む。

そこには……

「「卒業後の進路“強く生きる”……」」

…………

こいつ、これを本気で書いてんだからスゲーよ。あ、この場合の本気はマジと読むからな。

「亮…あんた、まさかそれ提出する気?」

香絵が訝しげな表情で亮を見て言う。

「は? 当然だろ」

…亮は真顔で答える。

お前のそーゆーとこ、俺は好きだぜ…あ、なんだか涙がッ

ガラッ!

「おーいお前ら席着けー」

どことなく眠そうな目の担任が入ってきた。

「HR始めっぞーっと…亮!」

あん?と亮が前に向き直る。

「お前、進路表持ってきたよな~?」

やっぱりきたか。

さぁ、どーするんだ! 亮!!

「持ってきたっスーほら」

ピラピラと紙を見せる。

「ほほぉう、見せてみろ」

あ、あぁ~あ…あの紙が担任の手に渡ってしまった…

「……亮、貴様……」