あれから1週間後。

ちなみに僕の感覚では、まだ1日なんだけどね。

とにかく、僕はあの非日常から解放されたわけだ。

でも1つだけ、問題がある。

イッチーがあのスケジュール帳で世界を決めていたとするならば、僕の家族を殺したのはイッチーだということになる。

どうして、僕の家族があんなに苦しまなければならなかったんだ。

せめて、弟だけでも生きていてくれたらよかったのに。


「おはよう」

後ろから走ってきた(髪の毛がボサボサだからそう思った)イッチーが、僕に挨拶をしてきた。

「うん、おはよう」

イッチーに聞くのは、正直言って怖い。

僕は卑怯者の臆病者だから、できたら真実を聞きたくない。

「あなたに言わなければならないことがあるの。たぶん、あなたはもう、胸の中でモヤモヤが広がってるはずよ」

「イッチーはヒトの心まで操れるのか」

「そんなわけないでしょうが。私のスケジュール帳でも、行動や心理を指定するのは難しいわ」