そこで会話が途切れる。

僕が眠ってしまったからか、衝撃的すぎて覚えていないかの違いは、定かじゃないけれど。


次の日の朝。

僕は布団から這い出て、リビングへ向かった。

今日は久しぶりに、香ばしい肉の香りが部屋中に漂っている。

「あら、おはよう」

「おはよう、母さん父さん。……ねぇ、お肉って高いんじゃないの?どうしたの?」

無理、してるんじゃないの?

「ご近所さんが、余ったお肉を譲ってくださったのよ。だから、気にしないで食べなさい」

「うん。それと、まだあいつは起きてないの?」

僕の隣にいつも座っている弟が、いなかった。

「そう……みたいね。ほら、早く食べて学校に行きなさい。あの子は母さんが起こしておくから」