俺はいつもの様に家に帰り そそくさと着替えてサーフボードを持つ。 『行ってくるわー』 お袋にそう一言だけ言い、海へ向かう。 ―――ザザー ゆっくりと海へ入る。 ボードの上に乗りスイスイと沖へ向かう。 静かに良い波がくるのを待つ。 ―――ザーッ 波がきた。 腕でこぎ波に乗る。 カエデはこのひと時が大好きで夢中になっていた。 海に映る夕日が淡くキラキラしていて 潮風に吹かれながら波の上を進むのが とても心地よかった。