『ごめん…何の用事?』
「はい、今度の大会の紙」
『…ありがとう』
「朝の6時50分に駅に集合で…詳しい内容は書いてあるから」

すっと、あたしが読みやすいように、紙を渡してくれた。

そんな優しい所が、紳士的でカッコイイんだよなぁ。

『分かった♪』
「分からない所はメールでも、気軽に聞いて…じゃ」
『うん、じゃ当日』


直接話したのって、電話の時以来じゃない?!

……クリーム付いてなかったかな??

「どうだったっ?!」

あたしが、帰って来るやテンションが上がり出す可耶。アンタは犬かっつーの!!

『どうって、…大会の紙受け取っただけ』
「面白くなーい!」

面白くなくて、けっこうよ。
ピラピラと紙を見つめながら、決定的な事を可耶は喋った。


「6時からの間の電車って…すっごく混むんだよ?通勤、通学ラッシュで」
『ふーん?それがどうしたの?』
「混んでる中で、キスしちゃうんじゃなーい?」
『へっ…………?』

あっ、あたしそんな期待してないんだからね!?