「男の子久しぶりに見たなあ~っ」
メガネを持ち上げながら佐倉が言った。
「・・・・・・あたしは反対だ。
気が合わなさそうだ。
・・・・・・・・・あたしも男が嫌いだからな」
一瞬だけこっちを見てそう言ったのは安曇。
「・・・雛乃ちゃんは何か言うことないの?」
こんな話が繰り広げられていた中でも、1度も本から顔を上げなかった女―・・・広瀬を見て保健医が言った。
すると、広瀬は本から顔を上げて初めて俺を見る。
「ん~・・・どうでもいいかなぁ」
それだけ言うと、本に顔を戻る広瀬。
・・・なっ・・・どうでもいいだと・・・?!
こっちがどんな思いで・・・と、俺は広瀬に怒りを募らす。


