左手のエース

亜耶は生徒の群れに近づきながら
ハッと気づいたように言った。


「あ、こないだの模試の結果だ。

順位張り出されてる。」




あたしは亜耶の後を着いていく。





「えっ!?
なにそれ超恥ずかしいじゃん!!」




「舞は大丈夫だよ。
たしか各学年、30位までだから」




「30位?
よかった〜。
ワースト30なら載ってる自信あるけど。」





亜耶は振り返ってクスクスと笑う。






特に見る気もなかった順位表を、
流し目で見ていると、


3年の早紀先輩の名前が
目に飛び込んできた。






早紀先輩……



10位だ…。








たしか、
3番以内キープできるように
頑張ってるって言っていた…


試合前だから落ちちゃったのかな…








今のあたしには
順位表にかすりもしない
自分の成績より

早紀先輩の順位が
胸を締め付けていた。








その胸の痛みは


またあたしの中に



迷いを落としていく。