ヤバ……。
サボり見つかんじゃん…。




あたしはそう思ったけど、
広い屋上には隠れられる所もこれと言ってない。







ビクビクと入口の扉に視線を向けると、

そこには、うちの制服を来た男子が怠そうに立ってこちらを見ていた。








「なんだ…生徒か。よかった。」




あたしはそう呟きながら視線を戻して、

自分のバレーボールをキョロキョロと探しながら立ち上がった。






その男子が屋上に入って来ると、

入口の扉の死角に入っていたバレーボールが顔を出した。





「あ、あった。すみません、ボール拾ってもらえますか?」




あたしがそう話しかけ、
改めて彼の方を見ると、


彼は冷めた目つきでこちらを見た。





うわ…。
さっきは気づかなかったけど

髪の毛は茶色いし、
顔立ちは綺麗だけど目つき悪いし、

めっちゃ不良じゃん…。







「手ぇ空いてねぇから。自分で拾えよ。」




彼の指の間から火のついたタバコが見えた。








感じ悪い…。


あたしはそう思いながら
バレーボールに近づく。