あたしの好きな優介はきっと愛奈を思っている気持ちも含めての優介だと思う。




あたしたちは放課後になると学校の近くのカフェにいる。




勉強なんてしたくないくせにサラサラとペンを動かしている。


もちろん優介は愛奈の隣の席。


あたしは涼の隣だ。



優介がいつも以上にテンションが高い。






「美波のケーキうまそ。」


そう言ってケーキをパクッと一口食べる。


「うん。上手い。」


笑顔を向ける優介。



間接キスだ………。





でも、優介はきっとそんなの考えてないよね。




どうせならあたしのことを大嫌いになって突き放してくれればいいのに……





あたし、最低だぁ………




全部優介の優しさなのにそう思っちゃうの……




泣きたくて、君が好きだと叫びたい。




「美波?俺のケーキも食うか?」



そう差し出してくるのはチョコケーキ。

「ううん。あたしはいいや……」




食べたいくせに……


優介のケーキがいいのに……





愛奈だったら、ここで素直に食べると言うだろう。




「…んと、素直じゃねぇなぁ……」



そう言ってフォークにケーキを乗っけるとあたしの口に無理やり突っ込む。




「……んな!………。」



そのケーキはスッゴク甘くて、スッゴク苦かった。