2人が笑って話している姿を見るのは正直辛い。



でも、あたしが知らないところで話している方がもっと辛い。





「じゃあ、俺も行こっかな〜。」



そう椅子から立ち上がるとあたしを優しく見る。



「じゃあ涼くんも入って4人で勉強しよっか。」



そうニコニコと笑う愛奈。




その時愛奈のケータイが鳴る。




愛奈が頬を赤らめて画面を見つめる。




修平だ……


一瞬で分かった。



愛奈はちょうどあたしと修平が別れる時期にやって来た転校生。



だからあたしの元カレだとは知らないんだ。




愛奈と何で一緒にいるようになったのかは分からない。



でも、愛奈はよく言うんだ。



『美波ちゃんが羨ましいよ。』




何が羨ましいの?




何一つ羨む所なんてないじゃない。



そう思う。