どうしていいか分からない気持ちも涼に全部話せば楽になれる気がする。
しばらくすると愛奈と優介は肩を並べて帰ってくる。
愛奈の彼氏の修平は愛奈には似合わないほどチャラい。
髪は茶髪で金髪のメッシュが入っている。
そして、着崩した制服が似合ういわゆるワイルドな感じでイケメン。
修平は近くの男子校に通っている。
実はそんな修平は中学時代あたしの彼氏だった。
中2から中3の夏まで付き合っていた。
本当に大好きで、修平以外の人のことを好きになるなんてあの頃のあたしには信じられなかった。
でも、修平は言ったんだ。
『俺、愛奈のこと好きになった。…だから別れよう。』
そうやってあたしの好きな人は愛奈に持ってかれる。
どんなに好きでも愛奈の存在を知るとあたしなんかに目もくれない。
「美波ちゃん、今日の放課後優介くんと話してたんだけどカフェで勉強しない?」
愛奈は沢山の資料を抱えながら聞いてくる。
「…うん。勉強、しよっか?」
あたしはそう言ってイチゴミルクを一気に飲む。
優介が行くのにあたしが行かない訳がない。
それに、たまには愛奈の誘いにだって乗らないとね?
愛奈はまだ全く分かってないのだろうか。
あたしの気持ちも優介の気持ちも…
