放課後にあたしは校舎裏に優介を呼び出した。 冷たい風があたしの体を突き抜ける。 「待った…?」 そう、少し乱れた呼吸で走ってきた優介。 「ううん……」 「どうかしたの?」 あたしが呼び出した理由が優介にはわからないのだろう。 今日で楽しいだけの曖昧な日は卒業。 校舎裏は静寂した空気のなかあたしの大きな心臓音しか聞こえない。 向かい側にいる君はまだ何にも知らないようであたしにハニカンでいる。