私が、図書委員の仕事をしてたとき

人一倍ドジをふんでしまう私を先輩たちは冷たい目で

「その仕事今日中にね」
と言って帰ってしまった
あの日・・・

一人ではできるはずのない量の図書整理。

私が、悪いんだ。しかたないって思って
自分が悔しくて悲しくて
それでも手を止めずに
黙々と作業する。
手を止めればきっと泣きたくなってしまうから・・・

ガラッ・・・
不意にドアが開く音がした

「・・・白川くん?」
もう帰ったはずのおなじクラスの図書委員。
どうしてここにいる・・・の?
彼は、黙って手伝ってくれた。
私も、ドジを踏まないように作業をした・・・

数時間後

やっと作業し終えたあと
私は白川君にお礼をいった。
「あの・・・ありがとう。
・・・それとごめんなさい。余計な時間つかわせちゃったよね?」
「別に・・・暇だったし。
それに・・・頑張ってる黒沢見てたから、助けてやりたかった・・・」

がんばってる・・・?
「そんな・・・ことない、よ?みんなに迷惑かけまくってるし・・・」
「でも・・・ちゃんと努力してる。どこにどの本置くか、注意されたらちゃんと確認して次には直ってるじゃん。」

なぜだか涙が溢れてきた・・・
「黒沢はちゃんとやってる。ただ動きが遅いだけで・・・でも、一番丁寧に仕事してるよ。」
涙は止まることなく溢れてきた・・・私は欠点しかないって思ってたから嬉しかった。
少しだけ私にも良いとこがあるんだって思えた・・・

泣いてた私を白川君は優しく頭なでてくれた・・・

どんな思いでなでてくれたのか分からない・・・けど、
白川君の優しさが嬉しかった。
白川君は私が、泣き止むまでそばにいてくれた・・・
「・・・・・ありがとう。白川君」
「ん。・・・もう大丈夫・・・か?」
「うん。大丈夫。ごめんね。いきなり泣いちゃって」
私は白川君に笑顔で言った。「そっか。・・・てか、謝んな。俺が勝手にやったことなんだから・・・な?」

「ん・・・分かった。ありがと・・・ね。白川君。」

「いいよ。・・・じゃ、な。」
そう言って白川君は図書室を出ていった。



あなたはこのときのこと・・・覚えて・・・いるかな?