『あっ、河野(こうの)さん!お疲れさまです。今帰ったんですか?』
作業を放り出し、小林を無視して、出張から帰ったばかりの河野さんを捕まえた。
河野さんは俺が尊敬してやまない人。
「河野さーん、お疲れさまでーす!聞いてくださいよ〜」
小林頼むから黙ってくれ…
「太田ってロリコンなんですよ〜!!」
『そうなの?太田くん!』
まじで止めて欲しい。
俺の大好きな先輩に変な印象を与えないでくれ!
『違います!ただの後輩ですよ!』
あぁ〜、恥ずかしすぎる。
小林の大馬鹿野郎が。
「大丈夫、太田くん。気にすんなよっ」
河野さんが真面目な顔で親指を立てた。
「俺もロリコンだ」
チーン―――…
「えぇー!河野さん…えーっ!?」
相変わらずうるさい小林。
「小林くん、ロリコンは珍しくないよ。ほら、仕事取ってきたから目ぇ通しといて!」
河野さんは技術兼営業だ。
渡された注文書を見てすぐに、小林は作業に取り掛かった。
「大丈夫だよ、太田くん。俺はロリコンじゃない。」
河野さんが耳打ちをしてきた。
『小林をなだめてくれたんですね!!』
俺は感動で胸がいっぱい。
「18才の高校生をおとした日には今回より早く話が広まるね〜」
俺は感動で胸がいっぱい。
こんなくだらない噂が1日も経たずに広まるこの会社って、いったい…
だけど噂じゃなくて、はるかのことが気になって仕方ない。
俺は今が旬のJK3に、手を出していいんだろうか。
ん?
手を、出す?
〈まことside、葛藤〉