「はぁ」

『どったの?』


アサミがため息をつくのは珍しい。




「さっきヘイスケくんさ、ハルカの泣くのそそるって言ってたじゃん…」

『あぁ、あー…』

「ってことはだよぉ!?さっきもそそってたってことじゃん!うあー、変態〜、うあ〜〜」

『ウヴァ〜…ッ!』

なんだか、すごく恥ずかしい。


経験豊富なアサミに言われてるせいか、物凄く恥ずかしい。




「うきゃあ…」

『っだぁー…』


放課後の廊下を歩きながら、2人で小さく奇声を発し続けた。




「あ!だめだめ、変な事は考えちゃ」

思い出した様にアサミが日本語を喋り出した。


「4月からは同じ会社行くんだから。ハルカだけでもやましい感情は捨てるんだよ!?」


やましいだなんて…
あたしはそんなの、思ってない。