「んでそこの未成年はどこ高行ってんの?」
さとしは俺とはるかに紙コップを渡してきた。
中の透明な液体からはすっぱいような香りがする。
「丘崎工業。…梅酒かい。未成年にアルコール持ってくんなよ、アハハ」
たぶんあちこちで飲まされているんだろう。
朝会った時よりずっとテンションが高い。
それより丘崎工業つったら。
「丘崎!?お前、丘工で応援団やってんの?」
素で引いてるさとし。
だって丘崎工業はここら辺のバカと不良が集まる高校。
だけど100年以上の歴史と県内外への就職率が県内の高校でNo.1なすごい高校だ。
そして…
『俺の母校…』
「「はっ!?」」
2人して目を丸くしている。
「あらあら、まこちゃんあたしの先輩か」
すぐに普通に戻ったはるか。
少しつまらない。
そして遠くから誰かに呼ばれて行ってしまった。