「ねぇ、管理人あの子行っちゃったの?」 「また、泣いてたみたいだね」 選択者が入った球体がなくなった瞬間に、管理人のもとに双子が何の前触れもなく現われた。 双子は手をつなぎ、どこかつまらなそうな淋しそうな顔をしていた。 「ええ。本当に面白い。人間は欲に弱い偽善者が多すぎますね」 管理人はかぶっていた帽子を器用にくるくる回し、その声ははずんでいるように思えた。