――― 次の日になって、 僕は昇降口で鬼頭を見つけた。 黒い長い髪を耳のラインで束ねている。 むきだしになった白い耳には相変わらずたくさんのピアスがついていた。 鬼頭の白い横顔は若干疲れてはいそうだったが、具合が悪そうではない。 良かった。体調を崩したわけではなさそうだ。 「鬼頭」 僕が呼びかけると、鬼頭は振り返った。 いつもは迷惑そうに顔をしかめるのに、今日は違った。 ちょっと驚いたように目をみはり、そしておびえたように肩を後退させた。 なんで…… 僕、何かした?