TENDRE POISON ~優しい毒~


『―――はい』


無愛想な声が電話に出た。


まさか出るとは思わなかったけど、思わず最初に電話しちゃった。


何かあるといけないから、って前に番号を聞いたきりになってた相手。


何でこいつにかけたんだろう。


いくらこのときのあたしが普通じゃなかったって、どうかしてた。


でも……





「せん……せ。たす……け……」


必死に助けを求めたのに、声にならなかった。


『鬼頭?どうした?泣いてるのか』


保健医の少し緊張した声が返ってきた。


「……っつ。……う」


声にならない嗚咽を漏らして、あたしは保健医に助けを求めていた。