中編集


わざと唇を尖らして、
そっぽ向く。

怒りよりも悲しみのほうが強くて、
泣きそうになる。

久しぶりだったのにな、
昼間遊ぶの。



「…美穂~怒ってる?
ね、こっち向いて。」

「怒ってないし。
早く他の人に連絡取ったら」



拗ねそうなのを堪えながら、
窓の外を見ながら言う。

すると右手をいきなり掴まれて、
指にキスされる。