ショッピングが 一段落ついた駐車場の車の中で、 彼の携帯が甲高く自己主張をする。 嫌な予感がする。 こういう時の予感は的中しやすい。 「あー…最悪」 車の運転席で着信を受け取った彼は、 ハンドルにおでこをこつんと当てて 深い溜息を吐いた。 隣の助手席で堂々と 聞き耳を立てていた私は、 話の内容が丸聞こえで悲しくなる。