Life Time

「神藤のお母さんが言ってた」
「……そんなのいつもの軽い冗談だよ。綾の気にすることじゃない」
「でも、お母さん泣いてた……」


私は涙のせいで前が霞んでよく見えない

だから神藤が今どんな顔をしているのかわからない……

でも、多分険しい顔をしているのはわかる

手を握る力が痛いぐらいに強いから…


「お願い…何処にも行かないで……」
「綾…」
「神藤がいないと、わ、たし…」


_______________

「やめて…頑張るから…! だから!」
「うるせえ!」
「っ!!」

ドスッドスッ

「や、め! て!!」
「このっ!」
「ぅぐっ……」

_______________


「綾!!!」

ビクッ

「大丈夫だ…俺は何処にも行かない…」
「ほんと…?」
「ああ…だから安心しろ」
「…ぅん…」


ギュ…


私は頭を必死に振って自分の考えを消し去った