が、それをさえぎってヒカルが反論した。
「テメー、そのでかい態度、なんとかなんねえのかよ、フランスボーイが!」
「挑発してるの、ヒカル君。俺を敵にしないほうがいいぜ。」
「なんだと、やろってのか!」
ヒカルは飛び起き、スバルの髪の毛を思い切りひっぱりあげた。負けじとパンチを繰り出し応戦するスバル。たちまちそのバトルは飲み物が乗ったテーブルを巻き込み、嵐は下半身に大きな雨を受けた。
「あ、あのー。ケンカならもっと暇な時にしてくれない! それと、こぼしたの、ふいてください。」
アラシは一段と声を張り上げ、二人に向かってティッシュペーパーの箱を投げつけた。
「「黙れ、庶民が!」」
と、息の合った罵声を両耳から聞き、あっけにとられて固まった。そして、こ
れ以上止めても無駄だと早くも悟り、虚無感を感じながら一人、濡れたティッシュの山を作っていた。
「お前、なかなかやるじゃんか、おぼっちゃんのくせによ。」
と、ヒカル。ケンカはとりあえず終止符を打ったようで、二人とも汗を流して座り込んでいた。
「当然。あんたも、けっこう強いじゃん。」
なんとなく平和になったところを見計らってアラシが口をひらいた。