「すげえよ、スバル!」
ヒカルの高らかな声がスタジオいっぱいに響き渡った。
「本当。俺たちそのままの気持だよ。」
と、アラシもスバルに紙を返しながら言った。
 始業式まで後三日。三人は、約束などしていなくてもこの場所に集まっていた。ピックと、スティックと、詞の書いた紙を持って。
「まあな、スバル様にかかればこんなもんだぜ。」
なんて、胸をはってみるけれど。本当は、悩んだんだからな、お前たちの恋心をどうやって書いてみようかって。
「お前、才能ありまくりだぜ。」
ヒカルは、本当に素直に称賛していたよほどその詞が気に入っていたのか…。きっとそれだけではないだろう。もう、お互いがお互いを心から認め合え、素直に接していられているから。
「もしかしてスバル様、俺が覗き見してたの見てた?」
アラシは急に赤面する。
「さあね。ところで、ボーカルなんだけどさ。」
スバルが話題を変えた。すると、ヒカルとアラシの口が動じに動いた。
「「ボーカルはスバルがいい。」」
「俺、歌なんてとんでもないしさ。」
アラシは、ポリポリと頭をかく。ヒカルも、それに同意するようにうなずいた
。するとスバルは、ヒラヒラと手を振って言う。