「…戻る?」


「あぁ」


「なんで…?」


昼休み、教室前の廊下で突然発せられたアキの言葉が理解出来ずにいた。



「その方が咲希もえぇやろ?」


「どうゆう意味?」



「俺と顔合わせづらいし、気ぃ遣うやろ」


「………」


困ったような表情を浮かべるアキの目を見つめる。



涙が溢れ出してきそうになって、慌てて目を逸らした。