「咲希…」 「………」 「大丈夫か?」 自分の席に座り、遠くを見つめている咲希に声をかける。 「………アキは?」 「あいつは大丈夫だよ」 「そっか…。良かった」 そう言って寂しそうに微笑んだ。 テスト期間が終わり、皆がいなくなった教室で咲希と二人きりで話す。 グラウンドからは各部活の掛け声が響いている。