「冗談でも言わないで!」 「………悪ぃ」 気まずそうに謝る男子と、静まり返る教室。 「咲希、行こう」 ハァハァ…と呼吸を整える私の手を空良は引っ張り教室を出た。 「…凄いことしちゃった」 「いいじゃん、あれぐらい。咲希がひっぱたかなかったら俺があいつら殴ってたし」 冗談っぽい口調で話すけど、表情は真剣だ。 空良も相当、頭にきてたんだ…。