サァー…と降り続ける雨が病院内に静かに響く。 あれからどれくらい経ったのか、未だにアキは意識が戻らない。 「…咲希ちゃん」 突然、名前を呼ばれ声のした方へ顔を向ける。 「さっきはみっともない姿を見せてしまって申し訳ない」 そう言って頭を下げて謝るアキのお父さん。 「私の方こそごめんなさい…。だから頭を上げてください」 「あぁ…、そうだね」 優しく微笑む姿はアキに似ていた。