「咲希に話しがあるって」
「…話?……聞きたくない、聞きたくない!」
バッと俯き、泣きそうになるのを見て、空良が慌てたように宥める。
「ちょっ、落ち着けって!」
この場から逃げ出さないようにか、空良は私の腕を掴んだ。
「これ以上、アキに嫌われたくない!」
「はっ!?何言ってんだよ?」
「私がアキを追い詰めたんだよ!あんな危険な状態に追い込んだんだよ?アキ、死んだかもしれないんだよ!?」
色々な人が声を荒げる私を不審な目で見ながら通り過ぎていく。
「そんなことない!アキはそんなことこれっぽっちも思ってなんかないよ!」
「…っでも!怖いよ…。アキに会って何か言われるのが怖い…」