「高良くん、アキどう?」 「空良…。目、覚めたよ」 躊躇うことなく病室に入るとそのまま、まっすぐに俺の方にやって来た。 「大丈夫か?」 「…死ぬかと思ったわ」 ベッドで寝る俺の横にある丸椅子に腰掛ける空良。 「集中治療室って初めてやわ」 「俺も」 そう言って空良は苦笑した。 「ったく、冗談言ってる状態じゃないんだよ?」 「分かってるよ」 呆れながらも心配な表情を浮かべ注意してくる。