「アキ、先に帰んなよ」 「お前こそ盗み聞きしてんなよ」 部屋で小説を読んでいたアキは、部屋に入って来た俺を軽く睨んだ。 「盗み聞きって人聞き悪いな〜」 「そうやろ?廊下で俺らの話聞いとったくせに」 「偶然だよ」 「あぁ、そう」 呆れたように返事をし、再び小説に視線を戻した。