「アキ、何やってんの?」 「…何って、いちご牛乳飲んでんの」 ちゅーっとストローで吸いながら、横に立つ空良にチラッと目だけ向ける。 「雨なのに?」 空を窺うように顔を上げると、空良は屋上の扉の前でしゃがむ俺の隣に腰を下ろした。 「寒くないの?」 「…べつに」 屋上には冷たい風が吹き渡っていて、正直言うと少し肌寒く感じていた。