「悪い、保健室行ってくる」 「大丈夫か…?」 心配な表情を浮かべる空良に「あぁ」と返事をし、移動教室からそのまま保健室へと向かった。 「アキ、どこ行くの?」 教室と反対方向へ向かう俺を見つけた咲希が、不思議そうに声をかけてきた。 「…咲希」 変なタイミングで声かけられたな…。 「教室の方向と逆だよ?」 「うん…。次の授業、行かんとこうと思って」 いつものように適当に笑って誤魔化す。