「…ごめん、何?」


「見つめ過ぎじゃね?」


苦笑しながら俺の前の席に腰を下ろすと、キョトンとする俺を尻目にある方向へ指をさした。



「咲希」


呆れたように言う空良の言葉に、ドッキンと心臓が跳ねた。



「はっ?な、何言うてんねん!!あ、アホちゃうか!」


「…顔、真っ赤だぞ」


慌てる俺に可笑しそうに笑う空良。


カァーッと顔に熱が集中するのが分かった。



空良の言葉が真実をついていて、俺は気付けば咲希を目で追いかけていることが多くなっていた。