それから時間は何事もなく過ぎ去り、アキへの意識もあやふやになってきていた。 「咲希、昨日の英語のノート写させて」 「…えっ?英語?」 数学の教科書を片付けていると、アキが近寄って来た。 「あかん?」 「いいよ!はい!」 突然、声をかけられたからかドキッとしてしまった。 何だろ変な緊張感が…。 「ふっ、なんやねん、これ」 パラパラ〜とノートを捲くっていたアキが可笑しそうに笑い出した。