「咲希!」


どうして私には教えてくれないんだろう…。



「ちょっ!咲希、危ない!」


「…えっ?」


声に気づいた時には足元は階段で、踏み外してしまった。



落ちる!


そう覚悟した瞬間、お腹のあたりにガシッと腕が回された。



「危な〜っ…」



「………ご、ごめん」



「何、ボ〜っとしてんねん」



「考え事してて…」



「気ぃつけろよ」


耳元で話していたアキは溜め息を吐き、私のお腹に回した腕を離した。