「立石くん、ついて来て」 「はい」 職員室を出て、廊下を中年のおじさん、古典担当の担任の後ろを歩く。 頭は少し禿げていて、気の弱そうな先生に見える。 名前は確か木下。 外からは蝉の鳴き声が騒々しく響いている。 階段を上がり、二つ目の教室の前で先生は止まった。 "2ー2"って書かれた教室の戸を先生は開き、俺は黙って先生の後に入った。