「ねーねー。もうすぐクリスマスだよねー。イチゴで思い出したけど」 トナカイの角の真似をしながら、エイトは言う。 「なんでイチゴで?」 「うーん。イチゴと言えば、クリスマスケーキ」 単純。 夜のエイトは子供っぽい。 「そうだね。こっちのクリスマスは綺麗だよ」 突っ込むのも面倒で、つまんなさそうにあたしは答える。 ほんと、あたしはダメなキャバクラ嬢です。 今までこんなことなかったのに、ペース崩される。 完璧な接客で有名な『蝶子』の世界に、つっけんどんな『苺』が現れるようになってしまった。