「23歳なのに!?」
「そういう会社なのー。古い体質の。あたしたちはお飾りだから。コピー、伝票処理ばっか。誰でもできる仕事なら、若い方がいいんじゃない?」
矢継ぎ早にあたしが答えると、エイトは厳しい顔をしてこちらを見ている。
あの、昼の顔で。
「仕事、自分から見つけてる? キミは職場にとって不必要だと自分で思ってるんじゃないか。それは違うよ」
仕事スイッチを押してしまった……。
でもどうせクビになるんだから、関係ない。
「あのねー、あたし一人で何ができるっていうの?」
「私はキミをクビにさせない。むしろ、キミがいなければ仕事が回らない位の存在にして見せる」
そう。この一言から、地獄の日々が始まったんだ。
この時はまだ気にも留めていなかったけれど。



