ふと、エイトの身体が離れたのを感じて目を開ける。 すると、あたしを見降ろすエイトと目が合った。 視線がぶつかる。 かちり エイトは眼鏡を外し、テーブルに置く。 眼鏡をかけてないエイトは、あたしの知ってるエイト。 悔しいけど、妙に整ってる。 顎のシャープなラインと、そしてあの甘い匂い。 でも今のエイトの瞳は、いつものお人よしエイトとも、エリート佐藤とも違った。 男の眼。 どきり 心臓が一つ大きく跳ねた。 吸い込まれる。 その瞳の黒に。 怖いくらい力を持つ瞳。