「あ、由衣です。石川由衣」 少し声が上ずってる 「へぇ…」 沁梧さんはその場しのぎのような返事をした 「…後ろの子は?」 「はるかです」 「苗字は?」 言ったところでなんになるのか… という言葉を心に沈めた 「前田です」 ちらっと由衣を見ると見るからに不機嫌そうだった 「前田…ね…」 …? 「由衣ちゃんと前田さんか、了解」 沁梧さんがいきなり明るく言う この言葉に由衣の機嫌がよくなった 別にいいけど 「はるかちゃんね、メアド交換しょ?」 優真さんが言った